企画展「神仏の形象―牛玉宝印―」
日本各地の神社仏閣で授与される各種の護符のひとつに牛玉宝印があり、とりわけ起請文の料紙に使用された熊野三山の牛玉札がよく知られています。
この牛玉宝印は、古くは万能薬として珍重されてきた「牛黄」に由来するものですが、次第に紙札へと変化を遂げ、発行する寺社により独特の字配りや書体、仏の種字や宝珠などをあらわす朱印が示されて配布されるようになりました。木版刷りのものが最も多く、修正会や修二会などの限られた儀式の日のみ、限られた枚数だけが刷られるなど、除災のまもりでありながらも度々、争奪の対象になるほど希少性の高い護符として知られています。
このように、牛玉宝印は護符としての利益、万能薬としての効能、そして誓約を司るという多様な性質があり、その形象は頒布する寺社の神仏そのものであり、日本の信仰史における重要な存在であったことがうかがえます。
本展では岩手県地方をはじめ、全国各地の牛玉宝印を概観しながら、信仰史の本質や魅力を感取する機会にしたいと思います。
- 会期
- 2024年11月2日(土)~2025年1月26日(日)
- 休館日
- 1月1日
- 会場
- えさし郷土文化館 第二展示室
- 入館料
- 通常の入館料でご観覧頂けます。