企画展「禪の道-正法寺の門風-」
奥州市水沢黒石町に所在する曹洞宗の古刹、大梅拈華山圓通正法寺は、南北朝時代の貞和4年(1348)、總持寺二代、峨山韶碩禅師の高弟であった無底良韶禅師によって開山しました。
無底禅師の法統を受け嗣いだ月泉良印禅師は正法寺の伽藍を整え、門弟を数多く育成し、奥羽両国に教勢を拡大。多くの信奉者を得て、正法寺一門は大きく発展しました。この間に總持寺峨山禅師より認可を得るなど、正法寺は永平寺、總持寺と並んで「第三の本寺」の格式となり、その勢いは東北を中心に関東・関西へも及んだと伝えられています。
しかし、本寺としての格式は江戸時代初期に幕府の政策によって失われ、正法寺は總持寺の直末筆頭寺院となりましたが、由緒ある古寺として仙台藩から寺領を得て、法堂(本堂)、仏殿、山門は仙台伊達家によって修繕されるなど別格の庇護を受けました。
日本一の茅葺屋根を誇る本堂の大建築に代表される伽藍には、本尊の如意輪観世音菩薩をはじめ、その歴史と格式を裏付ける尊像・寺宝・文化財が数多く安置されています。
本展では、東北地方における宗教・文化形成に果たした正法寺の大きな役割を通じて、郷土の歴史の一端に触れて頂ければ幸いです。
- 会期
- 2024年8月10日(土)~10月14日(月)
- 会場
- えさし郷土文化館 第二展示室
- 入館料
- 通常の入館料でご観覧頂けます。
- 特別協力
- 大梅拈華山圓通正法寺