えさし郷土文化館構内の全面禁煙について
えさし郷土文化館は、健康増進法の改正に基づき、2020年4月1日より全面禁煙となりました。
当館の敷地内に喫煙所はありませんので、皆さまのご理解とご協力をお願いいたします(隣接の歴史公園えさし藤原の郷およびレストハウスの所定喫煙所をご利用下さい)。
岩手県南地域の葉たばこ生産は、慶長年間(1596~1615)に東磐井の黄海(きのみ)に発祥し、保呂羽(ほろわ)から千厩地域へと伝播(現一関市)。広い地域に至る生産地が形成されました。当時の仙台藩も単作地帯における農業政策として葉たばこ生産を奨励し、産品は他領に販売するなどして藩財政の増収が図られていました。
江刺地方では、天和年間(1681~83)に人首村で栽培が始まり、産地は郡内へと拡張。その販路は藩境を超えて遠野、大迫、盛岡、秋田にまで拡大しました。
明治維新後は専売制の下、契約農家による本耕作が着手され、昭和15年(1940)には「江刺郡たばこ耕作組合」が結成。現在も山間地を中心に栽培が続いています。
岩手は今日でも全国の葉たばこ生産量の上位に位置する生産地で、これは風雪偶然ではなく、先人たちによる長年の足跡に裏付けられた歴史の一端でもあります。
当館は公共施設の責務として、望まない受動喫煙が生じないよう、受動喫煙を防止するための措置を総合的かつ効果的に推進するよう努めておりますが、農業としての葉たばこ生産の来歴は、地域史の観点からも必要不可欠であり、今後も調査研究の対象としながら展示等で紹介してまいりたいと思います。
えさし郷土文化館